こんにちは、保険代理店向けに顧客管理システムを開発している株式会社hokanのメディア運営チームです。
すでに保険代理店を経営されている方々はもちろんのこと、これから独立して保険代理店を開業したいという方々からもよくご相談をいただきます。
日頃、多くの代理店様から課題ヒアリングをさせていただいているのですが、そこにはどの保険代理店にも共通するものがあると考えています。その一つが持ち出し管理についてです。
特にこの数年在宅勤務などが多くなることで、個人情報の持ち出しを行うことが増えたのではないでしょう。業界的にもセキュリティには一層の注意が必要な中、保険代理店として個人情報の漏洩などがあっては一大事です。
今回はこの持ち出し管理をデジタル化すべき理由として様々な観点から検討していきたいと思います。
個人情報の漏洩は内部原因であることが多い

『そもそもなぜ持ち出し管理をすべきなのか?』という点ですが、個人情報の漏洩というと巷でもよく耳にする、サイバー攻撃などの外部からの攻撃によるものというイメージがあるかと思います。
実は、情報漏洩の原因として一番多いのは、「従業員の置き忘れや紛失」などの管理ミスという極めて単純なヒューマンエラーによるものです。
もちろん個人情報の持ち出し管理を徹底することは保険業界関わらずどの業界でも求められている状態です。
しかし、保険代理店の場合は、一度でも個人情報の漏洩があるととても深刻な信用問題にもなりますし、今までコツコツと培ってきた契約者様や保険会社などの信用を失うことにもつながり。非常にダメージが大きいです。
コロナ禍におけるコンプライアンス遵守の世論もあり、保険会社は特にセキュリティに敏感となっております。
個人情報の持ち出し管理は、顧客を守るということにもなりますし、何より自分自身を守ることになります。
次に、具体的にどんな持ち出し管理をしていく必要があるのかについて見ていきましょう。
保険代理店は具体的にどんな持ち出し管理をする必要があるのか
個人情報の持ち出し管理においては、「いつ」・「だれが」・「どの顧客(見込の顧客を含む)」の「どんな個人情報」を持ち出したのかという点を把握する必要があります。
顧客の個人情報の持ち出しをする際には、担当の募集人が事前に申請し、上長などの承認を得てから持ち出すなどのルールを決め、保険代店全体で仕組み化、管理する必要があります。
以下を最低限管理しておくことは一般的に求められています。
- 持ち出した個人情報はどうなったのか
記載例;顧客に見せて持ち帰った・顧客に渡した・顧客に記入してもらったものを持ち帰った- 最終的にどう処理をしたのか
持ち帰った後に破棄をしたのか、保管したのかということを明確に残すこと。- 最終的にどう処理したのか(破棄、保管)
持ち帰った後に破棄をしたのか、保管したのかを明確に残すこと。
また、最終的に破棄したのであれば、いつ誰が破棄したかなどまで証拠を明確に残すことが、非常に重要となります。そうすることで未曾有のトラブルも防ぐことが出来ます。
保険代理店の持ち出し管理方法の現状
では、保険代理店は実際にどのような持ち出し管理をしているのかでしょうか。
最近、保険業界でも「DX」という言葉を耳にすることも多いと思いますが、実際はまだまだアナログな対応をしている保険代理店がほとんどかと思います。実際、保険代理店の多くは持ち出し管理を、エクセルや紙で管理としていることが多いです。
今まで通りのやり方であるため、紙やエクセルの方が持ち出し管理のやりやすさがあるのですが、紙管理やエクセル管理は、月末などに全ての作業が集約してしまうことも多く漏れが生じやすいです。印刷・保管・上長への申請なども必要となるため、現場だけでなく上長にとっても手間となっていることが多いです。
なにより募集人が明確に各記録を行っていないという実態もあり、コンプライアンス上良くないですし、情報漏洩のリスクも高くなっています。
紙管理のリスクとは?
実際に紙やエクセルで管理するリスクとして、具体的にどのようなことが考えられるのでしょうか。
NPO日本セキュリティ協会によると個人情報の漏洩原因としては下記の通りとなります。
第1位 紛失・置き忘れ(26.2%)
第2位 誤操作(24.6%)
第3位 不正アクセス(20.3%)
第4位 管理ミス(12.2%)
参考資料
NPO日本ネットワークセキュリティ協会によると、個人情報の漏洩原因https://www.jnsa.org/result/incident/2018.html
上記から分かる通り、半数近くがヒューマンエラーであり、人為的ミスによるものといえます。一度でもそのような事象が発生してしまうと、書類の回収はもちろん関係各所への謝罪など日々の忙しい業務をより逼迫させてしまいますし、築き上げた信頼を取り戻すのにも時間がかかります。
それでは、持ち出し管理をデジタル化することでどのような効果を見込めるのでしょうか。
持ち出し管理をデジタル化すべき3つの理由と効果

持ち出し管理をデジタル化することによる効果は大きく3つあります。
ペーパーレス化
紙を利用する必要がなくなるため、ファイルやバインダーなどが不要となります。それらのコストだけでなく場所も取る必要がなくなり、パソコン一つでの管理が可能となります。
有事の際に迅速な対応が可能となる
万が一情報漏洩などの有事の場合には、迅速に振り返ることが可能となります。
「いつ」・「だれが」・「どの顧客(見込の顧客を含む)情報」を持ち出したのかをすぐに確認し、対応することができます。
持ち出し管理の手間を軽減
デジタル管理となることで、確認や集計など面倒な作業に関しても現場やマネージャーの手間を軽減することが可能です。
持ち出し管理のデジタル化は、紙管理よりも情報漏洩や個人情報消失などのリスクを軽減できるため、やはり個人情報を取り扱うことが多い募集人業務を遂行する上での有効なリスクヘッジになります。
まとめ
持ち出し管理をはじめ、保険代理店業務を運営する上で業務のデジタル化を推進することはリスクヘッジにつながります。
そうすることでコスト削減や業務品質向上、従業員満足度についても改善されることが期待できます。
この記事が参考になれば幸いです。