Webセミナーの効果を高めるために定めるべき3つの評価軸(KPI)

Webセミナーの効果を高めるために定めるべき3つの評価軸(KPI) 保険代理店向けWebセミナーノウハウ

こんにちは、保険代理店向けに顧客管理システムを開発している株式会社hokanのメディア運営チームです。

本メディアでは、日々保険代理店の方々とお話をしている中で、よく話題に上がるお悩みをもとに、コンテンツを作成しています。今回は、『Webセミナーの評価』をテーマに、具体的なノウハウを紹介できればと思います。

せっかくWebセミナーを企画して行ったとしても、やりっぱなしでは効果は期待できません。いくつかの評価軸を設定し、検証を行う必要があります。今回は、Webセミナーの評価軸について「定量的評価軸」と「定性的評価軸」の2つの点から解説していきます。

Webセミナーの定量的評価:集客軸

まずは定量的評価軸から解説いたします。定量的な評価軸は「集客」と「商談・成約数」の2つの軸になります。最初に、セミナーを開催する際の「集客」の評価軸について考えていきます。

セミナー参加者数

「どれだけの人がセミナーに参加してくれたか」という指標です。より多くの人が集客できたほうがプラスになります。また、複数の集客への導線を作っている場合、経路ごとの参加人数が把握できると有効な集客経路が明確になりますので、次回以降力を入れるべき集客経路がわかります。

集客単価(費用をかける場合)

「一人の参加者を集めるのにいくらの費用がかかったか」という指標です。どれだけ多くの参加者が集められたとしても、大幅に予算オーバーしてしまった場合は成功とはいえません。集客単価を適正化する際には、下記の3つのポイントを再度考えて見る必要があります。

「魅力ある訴求ができているか」

「セミナーに集客したいターゲット層が興味を惹く内容の訴求ができているか」を再度見直してみることで、集客単価が大きく改善することがあります。例えば、「セミナー企画テーマを変更する」「詳細説明ページの画像を変える」「参加者特典をつける」などの方法が考えられます。

「参加したいと思える内容のセミナーか」という観点

参加者は「参加することによって自分にどのようなメリットがあるのか」を判断し、メリットがあると感じた場合にセミナーに参加します。自社がセミナーに動員したいターゲットのニーズを考え、ニーズに合った内容のセミナーかどうかを考えましょう。

「目的にあったターゲットにリーチできる施策(媒体)か」という点

ターゲット層の方が多く使う媒体を使うことで、多くの人に見てもらいやすくなります。既存顧客をターゲットとする場合、年齢層が高齢の場合はメールやLINE公式アカウントよりもハガキやDMを使ったほうが多くの方に見てもらいやすくなります。

逆に、新規の若年層をターゲットにする場合は、Facebook広告などのSNSを広告が選択肢として入ってきます。

Webセミナーの配信数

「何回Webセミナーを開催したのか」も重要な指標です。配信数を少なくした場合、その時間に合わない参加希望者を取り込むことができませんが、無駄に多くしても1回あたりの参加者が少なくなってしまい、手間ばかりかかってしまいます。

何度か繰り返す中で、どのくらいの配信数を設定するのがいいのかを決めていくことが重要です。

また、一度開催したWebセミナーは必ず録画し、オンデマンドとして配信するのも良いでしょう。

申込数と申し込み率

申込数は「セミナーに参加申し込みをした人の数」で、セミナー参加者数とは異なります。申込数と参加者数の間に乖離がある場合、その原因を把握することも重要です。

また、ハガキやメールなど案内した人の数が把握できる場合、「案内した人の申し込み率」も大切な指標になります。申し込み率が低い場合、訴求方法や内容を再度検討する必要があります。

Webセミナーの定量的評価:商談軸

次にセミナー後の「商談・成約数」を評価するために必要な評価軸について考えてみます。

商談

商談を評価するための軸は大きく分けて2つあります。

商談数

セミナーの結果、何件の商談につながったのかという指標です。商談の件数が多いほど成約には繋がりやすくなるので重要な指標ですが、この指標単独でセミナーの評価をするのは非常に難しいので、他の指標と合わせて評価をする必要があります。

商談率

セミナー参加者のうち何%が商談につながったのかという指標です。100名の参加者のうち10名が商談につながった場合と、10名の参加者のうち10名が商談につながった場合は、商談数は同じですが商談率は大きく異なります。

セミナーがうまくいったかどうかの指標としては、商談につながった件数だけでなく商談に進んだ割合も把握する必要があります。

成約数

次に成約数です。成約数を評価するための軸は3つです。

成約数

商談の結果、どれだけの成約件数につながったのかという指標です。重要な指標ですが、この指標単独だと正確な評価につなげるのは難しいので、他の指標も合わせて把握した上で評価をします。

成約率

商談した件数のうち、何件の商談が成約までつながったのかという指標です。この指標が低い場合、商談時の訴求が不足している可能性があります。

セミナー参加者から成約に至った率

セミナー参加者全体を分母にした成約率も把握しておくと改善に役立ちます。例えば、セミナー参加者5名のうち5名全員が成約につながった場合、ターゲット層のニーズに合ったセミナーができていたことになります。

逆に100名の参加者のうちの10名が成約につながった場合、ターゲット層のニーズに合ったセミナーができていなかった可能性もあるので、改善の余地がありそうです。

費用対効果

最終的にセミナーを行うことでどれだけプラスになったのかを把握します。

具体的には、下記の式で計算します。

費用対効果(%)=(売上-費用)÷費用×100

このように「集客」と「成約数」の指標を総合的に把握し、自社のセミナーに不足していることを検討し、次回以降の改善につなげます。例えば下記のようなことを中心に改善を行います。

改善箇所の例
  1. セミナー内容の見直し
  2. 集客対象の属性の見直し
  3. 商談につながる工夫

Webセミナーの定性的評価:満足度

ここまでは定量的な評価軸について解説してきました。ここからは、定性的な評価軸について解説していきます。定性的な評価軸は「満足度」という指標で評価します。ここでは多くの企業が採用している「NPS」について解説します。

NPSとは

NPSは、「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略で、日本語では「推薦者の正味比率」と訳されます。具体的には「自社の商品やサービスを他の人にどのくらい進めてくれるか」を可視化することで、セミナーへの満足度を図るという方法です。

「顧客満足度」とは違い、「他の人にどれだけすすめたいか」という観点からの指標になるので、より責任感を持って回答してもらいやすいと言われています。

NPSを図る質問をアンケートに導入する。

NPSを図る方法は簡単です。セミナーのアンケートに下記の2つの質問を入れていただくだけです。

NPSを図る2つの質問
  • 「あなたはこのセミナーを親しい友人や同僚にどの程度すすめたいと思いますか?0~10点で点数を付けてください。」
  • 「上記のように評価された理由を具体的に教えてください」

分析方法

NPSの分析方法は「 推奨者- 批判者」という形で行われます。具体的には、アンケートの質問の結果をもとに顧客を3つのグループにグルーピングして、それぞれの割合を出します。

Webセミナーの満足度を測るNPS

割合が出たら、「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いてNPSを出します。

例えば、 100人の回答者のうち「9〜10」をつけた推奨者が50人、「0~6」をつけた批判者が10人の場合を考えてみます。推奨者の割合が50%、批判者の割合が10%なので、NPSは+40となります。

業界ごとのNPSはの平均は下記のとおりです。

マクロミル 「第1回NPS®業界横断自主調査」

マクロミル 「第1回NPS®業界横断自主調査」より引用

また、NPSはに関する質問だけでなく、「セミナーでの不明点や質問」や「次回以降やってほしいテーマ」など次回セミナー開催にあたってヒントになる項目をアンケートに組み込むこともおすすめです。

実際にアンケートのサンプルを作成したので、コピーをしてご活用ください。

まとめ

今回はセミナーの評価軸について解説しました。セミナーを実施する前に社内でこれらの指標を共有しておき、セミナー実施後に検証を行うことで更にセミナーの質を高めることが可能です。

参加者の求める価値を提供し、参加者の満足度を高め、セミナーの効果をより一層高めていきましょう。